406  受肉した神は人間性と神性を兼ね備えている

1  受肉というのは、神が肉の体で現れることで、神が自分の創った人間のもとで働くために人間の姿で来るのである。さて、神が受肉するというのは、まず肉の体、普通の人間性を備えた肉体でなくてはならず、それが最も基本的な前提条件である。実際、神が受肉するということは、神が肉体において生き働くということ、その本質において肉となり、ひとりの人になるということを意味する。

2  受肉した神の人間性は、肉体的な本質のために存在するのである。人間性なくして肉は存在しない。また、人間性のない人は人間ではない。このように、神の肉の人間性は、受肉した肉のなくてはならない性質である。「神が肉となっても、神は完全に神であり、まったく人間ではない」と言うのは瀆神行為である。なぜなら、このような発言はまったく存在せず、受肉の原理に反しているからである。

3  働きをする者は、人間性に宿る神性である。働いているのは神の人間性ではなく神性だが、それは人間性の中に隠れた神性である。神の働きは、つまるところ、完全な神性が行うのであって、人間性によるのではない。しかし、働きを実践するのは神の肉である。このような神は、人間でありかつ神であると言えるだろう。神は肉の体で生きる神となり、人間の姿と人間の本質をもつが、また神の本質をも備えているからである。神の本質を備えた人間だから、被造物であるどの人間、神の働きを行うことのできるどの人間よりも上位に位置する。

4  このような人間の姿をした者たちの中で、人間性をもつすべての者の中で、彼だけが受肉した神そのものである。他はみな、被造物である人間である。受肉した神と人間の双方に人間性があるが、被造物である人間には人間性以外には何もない。ところが、受肉した神は違う。受肉した神は、その肉体において人間性だけではなく、さらに重要なことに神性をも備えている。神が人間になると、その本質は人間性と神性の合わさったものである。この組み合わせが神そのものと呼ばれる、地上における神そのものなのである。

『神の出現と働き』「神が宿る肉の本質」(『言葉』第1巻)より編集

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