誰も受肉の神を知らない
人間はけっして光の中でわたしを認識しておらず、闇の世界でだけ、わたしを見ている。あなたがたは、今も同じ状況にあるのではないか。赤い大きな竜が最大の猛威を振るっているときに、わたしは働きを始めるために正式に受肉した。赤い大きな竜がその真の姿をはじめて現したとき、わたしは、わたしの名を証しした。わたしが人間の道を歩き回ったとき、ただ一つの生き物、ただ一人の人間も、驚いて覚醒することはなかった。だから、わたしが人間世界で受肉していたとき、誰もそれを知らなかった。しかし、わたしの受肉した体で働きを始めると、人間が目覚める。わたしの雷鳴のような声に驚いて夢から醒め、その瞬間から、わたしの導きのもとでの生活を始める。
人間は単に肉におけるわたしを知らないだけではなく、さらに悪いことに、肉の体をもつ自分というものを理解することができずにいる。何年が過ぎたろう。また、その間ずっと、人間はわたしを欺き、わたしをよそから来た客人として扱ってきた。何度、人々はわたしを彼らの家の戸口で締め出したろう。何度、わたしの前に立って、わたしを無視しただろう。何度、他の人々の間でわたしを拒んだだろう。何度、悪魔の前でわたしを否定しただろう。そして、何度、口論する口でわたしを攻撃したろう。しかし、わたしは人間の弱点を記録していないし、また、わたしに逆らったからといって、「歯には歯で」という対応はしない。わたしがしたのは、人間がついにわたしを知るように、不治の病を癒やすために人間の病に薬を用い、そうして健康にすることだ。
『言葉は肉において現れる』第二部「全宇宙への神の言葉」の「第十二章」より編集